
物流拠点の集約と分散のメリット・デメリット!最適な戦略の選び方
2025/12/15
物流サービスの特徴や種類を理解し、最適な委託先を選べるようになるのが本記事のメリットです。外部委託に踏み切るべきか迷っている企業の担当者に向けて、基礎知識から業者選定の判断基準までを網羅的に解説します。自社に最適な物流アウトソーシングを実現するための指針として、ぜひ参考にしてください。

物流サービスとは、物流業務を最適化するために専門業者が提供する各種代行サービスの総称です。
受注業務から倉庫管理、配送まで幅広い業務領域をカバーしており、EC事業者や製造業を中心に多くの企業で活用されています。近年、事業拡大に伴う物流業務の複雑化や人手不足の深刻化により、物流サービスの重要性はますます高まっています。
ここでは、物流サービスの基本的な定義と、物流業界において果たしている役割について解説します。
物流サービスとは、物流事業者が提供する各種代行サービスの総称です。物流業務を最適化することを目的としており、受注数の増大に対応しきれなくなった企業や、自社で万全な物流体制を構築することが難しい企業に適しています。
主に物流倉庫や物流センターに関わる業務が中心で、特にECサイトの物流業務の効率化に役立っています。
対応できるサービス内容は事業者や契約内容によって異なるため、自社のニーズに合った業者を選定することが重要です。
物流業務は顧客満足度に直結する重要な仕事です。しかし、自社でのシステム化には労力とコストがかかり、業務内容が煩雑で負担になりがちという課題があります。
近年、EC市場の拡大とともに物流サービスは発展を続けており、多様なニーズに対応できる環境が整いつつあります。
物流専門業者が培ってきたノウハウを活用すれば、コストの最適化と高品質なサービス提供が実現でき、物流業務にかけていたリソースを本業に集中させることが可能です。

物流サービスは、物流の各工程に応じてさまざまな種類が提供されています。受注業務から配送まで、それぞれの工程で専門的なサービスが用意されており、企業は自社の課題やニーズに合わせて必要なサービスを選択できます。
以下は、主な物流サービスの種類と概要をまとめた表です。
| サービスの種類 | 概要 |
|---|---|
| 受注業務 | 注文受付から出荷指示までの一連の業務を代行 |
| 流通加工 | 商品への付加価値向上のための加工作業(生産加工・販促加工) |
| 倉庫・保管業務 | 商品の入荷から出庫まで、および適切な環境での保管管理 |
| 配送サービス | 国内外への商品配送と関連業務の代行 |
受注業務とは、顧客からの注文を受けてから出荷指示を出すまでの一連の業務を指します。物流サービスにおける起点となる重要なプロセスです。
【基本的な業務の流れ】
受発注管理システムを備えた業者への外注により、スピーディーで正確な作業が可能になります。注文量が多い場合や小口注文が多い場合でも、ミスを削減しながら効率的な処理を実現できます。
コールセンターを設置し、電話による受注や問い合わせに対応している事業者もあります。
流通加工とは、商品を流通に適した形に加工することです。生産加工サービスと販促加工サービスの2種類に分けられます。
| 加工の種類 | 定義 | 具体的な作業例 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 生産加工サービス | 商品そのものに手を加える加工作業 | ・食品のカット、小分け、加工 ・製品の組み立て、セットアップ ・布製品の裁断 ・機械のセットアップ |
商品を安全で使いやすい状態にし、消費者の利便性を向上させる |
| 販促加工サービス | 商品自体には手を加えず付加価値を付ける作業 | ・検品シール、値札の貼付 ・ギフトラッピング ・アパレル商品のハンガー掛け ・セット売り商品の梱包 ・メッセージカードの同封 |
商品の価値を高め、顧客満足度や購買意欲を向上させる |
生産加工では製品の組み立てや布製品の裁断、食品の切り分けなど、商品自体に手を加えて消費者にとって利便性の高い形にします。
販促加工では値札や検品シールの貼付、ギフトラッピング、セット売り商品の梱包などを行い、商品価値を高めます。
倉庫・保管業務とは、商品の入荷から出庫までの諸作業を指します。以下は各業務の内容です。
| 業務項目 | 作業内容 | 重要なポイント |
|---|---|---|
| 入荷 | ・取引先から届いた商品の受け取り ・数量確認と検品 ・カテゴリごとの仕分け ・倉庫管理システムへの登録 |
正確な数量確認と初期不良の発見により、後工程のミスを防止 |
| 検品 | ・商品の数量確認 ・品質チェック(破損、汚れ等) ・品名と伝票記載内容の照合 ・検品済みシールの貼付 |
入荷時と出荷時の2回実施することで、品質保証を徹底 |
| ピッキング | ・指示書や伝票に基づく商品の取り出し ・正確な数量の確認 ・ロケーション管理による効率的な作業 |
在庫の保管場所を明確化し、作業効率と正確性を向上 |
| 仕分け | ・配送先別の商品分類 ・商品種別による分類 ・優先度による仕分け |
決められたルールに従い、次工程をスムーズにする |
| 梱包 | ・商品に適した梱包材の選定 ・緩衝材での保護 ・納品書、送り状の同封 ・必要に応じたラッピング |
商品の安全な配送と顧客満足度向上を実現 |
| 出庫 | ・最終検品の実施 ・配送業者への引き渡し ・出庫データの記録 ・在庫データの更新 |
ピッキングから梱包までの作業を含む総合的な出荷作業 |
商品特性に応じて、適切な温度・湿度管理や賞味期限管理が必要です。医薬品や食品などデリケートな商品を扱う際は、専用の設備で品質を維持しながら保管します。
倉庫管理システム(WMS)を活用することで、在庫数の把握や入出庫状況の管理を効率的に行えます。
配送業務は、工場から物流センターまでの「一次輸送」と、物流センターから顧客までの「二次配送」に分けられます。物流サービスにおける「配送」は、主に二次配送を指すのが一般的です。
配送サービスは対応エリアによって国内配送サービスと国外配送サービスに分類されます。
| サービス種類 | 対象エリア | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 国内配送サービス | 国内の顧客 | 商品特性に合わせた環境を維持しながら配送。人手不足への対応や繁忙期の柔軟な運用が可能 |
| 国外配送サービス | 海外の顧客 | 飛行機や船舶を利用。通関手続きや国際輸送に関する専門知識が必要 |

物流サービスを導入することで、企業はさまざまなメリットを享受できます。
物流専門業者が培ってきたノウハウを活用すれば、自社で物流体制を構築するよりも効率的に高品質なサービスを提供できます。また、物流業務にかけていたリソースを本業に集中させることで、業務拡大や売上アップも目指せます。
ここでは、物流サービス導入によって得られる主要なメリットについて、コスト面とサービス品質面から具体的に解説します。
物流サービスを導入するメリットは、コストの最適化です。自社で物流を担う場合、人件費や倉庫賃料などの固定費が年間を通して発生します。物流サービスでは利用した分だけの支払いとなるため、固定費を変動費化でき、繁閑に合わせたコスト管理が可能です。
物流業務を外部に委託すれば、自社社員は本業であるコア業務に集中できます。営業や販促、企画といったメイン業務にリソースを注ぐことで、業績向上につながります。
繁忙期と閑散期で必要な人員が異なる物流業務では、自社での人員調整が困難です。物流サービスを利用すれば人員調整を意識せず、常に安定した物流体制を確保できます。
物流専門業者が持つ知見とノウハウを活用することで、自社だけでは実現が難しい高品質な物流を提供できます。プロによる迅速かつ正確な作業により、業務ミスやクレームを削減し、顧客満足度の向上につながります。
破損や汚れのない商品を、適切な梱包と適切なリードタイムで顧客に届けることは、ECサイトの評価や顧客満足度に直結します。
物流サービスを活用することで、配送の正確性とスピードを両立させ、顧客からの信頼獲得やリピーター増加が期待できます。

商物分離とは、「商流(商的流通)」と「物流(物的流通)」を切り分け、物流業務のみを専門業者へ外部委託する考え方です。商流は商品の所有権や情報の流れを指し、物流は商品そのものの物理的な移動を指します。
【商流と物流の違い】
| 項目 | 商流(商的流通) | 物流(物的流通) |
|---|---|---|
| 概要 | 商品の所有権が生産者から消費者へ移転していく取引の流れ | 商品そのものが生産者から消費者へ物理的に移動する流れ |
| 移動する対象 | ・商品の所有権 ・金銭 ・情報(受発注データ等) |
・商品そのもの(物品) |
| 主な業務 | ・受発注処理 ・契約締結 ・代金決済・請求管理 ・在庫データ管理 |
・輸送・配送 ・保管(倉庫業務) ・荷役・梱包 ・流通加工 |
| 焦点 | 「その商品は 誰のもの なのか」 (権利・契約関係) |
「その商品は どこにある のか」 (物理的な場所・状態) |
| 具体例 | 消費者が代金を振り込み、所有権が移転するプロセス | 商品が倉庫から出荷され、消費者の手元に届くプロセス |
営業担当者が配送作業なども兼務している場合、本来の営業活動に集中できず、物流コストも曖昧になりがちです。商物分離により営業は商流に専念でき、物流は専門業者が担当することで品質向上が実現します。
商物分離を行うことで、品質・コスト・納期(QCD)が明確化され、専門ノウハウを持つ3PL事業者などを活用しやすくなります。

物流サービスを導入する際は、自社のニーズや課題を明確にしたうえで、適切な業者を選定することが重要です。
提供されるサービス内容は事業者によって異なるため、立地条件や対応可能な業務範囲、設備の充実度などを総合的に判断する必要があります。また、取り扱う商品の特性によっては、専門的な知識や設備を持つ業者を選ぶことも大切です。
ここでは、物流サービス業者を選定する際の重要な検討事項について、具体的なポイントを解説します。
物流サービス業者を選定する際は、配送頻度が高い地域と物流倉庫の位置関係を確認することが重要です。倉庫が配送先から離れすぎていると、配送費用が膨らんだり、リードタイムが長くなったりする可能性があります。
自社が取り扱う商品の特性に応じた設備の有無も必ず確認しましょう。冷凍・冷蔵倉庫や大型商品を保管できるスペースなど、商品を適切に管理できる環境が整っているかが重要です。
対応可能なサービス範囲と過去の実績を事前に確認し、自社のニーズに対応できる業者を選ぶことで、導入後のトラブルを防げます。
特殊な商品を取り扱う場合は、専門知識と設備を持つ物流サービスの利用が効果的です。大型商品配送サービスでは、家具や家電の搬入から組立、設置まで対応し、顧客の負担を軽減します。
メディカル配送では、献血や検体、医薬品など厳密な温度管理が必要な商品を、専用設備とセキュリティ体制のもとで確実に輸送します。
その他にも、さまざまな専門サービスが提供されています。
| サービスの種類 | サービス内容 | 対象商品・利用シーン | 提供される付加価値 |
|---|---|---|---|
| 大型商品配送サービス | ・大型商品の特殊配送 ・配送先での搬入作業 ・組立・設置サービス ・開梱・資材回収 |
・大型家具 ・家電製品 ・業務用機器 |
専門知識を持ったスタッフによる安全な搬入と設置により、顧客の負担を軽減 |
| メディカル配送 | ・厳密な温度管理配送 ・専用設備での保管 ・セキュリティ管理 ・緊急配送対応 |
・医薬品 ・献血・検体 ・医療機器 ・研究用試料 |
変質や紛失を防ぎ、確実な輸送環境を提供 |
| フルフィルメントサービス | ・受注から配送まで一括代行 ・ECサイト運営支援 ・コールセンター業務 ・返品・交換対応 |
・EC事業全般 ・通販事業 ・定期購入商品 |
物流業務を包括的に任せることで、販売業務に集中できる |
| トランクルームサービス | ・契約期間中の保管 ・入出庫管理 ・定期的な状態確認 |
・オフィス家具 ・書類・資料 ・季節商品 ・イベント用品 |
オフィススペースの有効活用と保管コストの最適化 |
| 機密文書保管サービス | ・セキュリティ完備の保管 ・アクセス管理 ・定期的な廃棄処理 ・機密保持契約 |
・契約書類 ・個人情報書類 ・財務関連書類 ・研究開発資料 |
情報漏洩リスクの低減と法令遵守の実現 |
| 移転・引越しサービス | ・オフィス移転計画立案 ・レイアウト提案 ・什器の解体・設置 ・各種工事手配 |
・オフィス移転 ・工場移転 ・店舗移転 |
通常業務への影響を最小限に抑えた計画的な移転 |
ネオロジスティクスは、単なる作業代行ではなく「物流部門代行」として荷主企業の一員となって業務を担います。お客様のビジネスを深く理解し、物流面から事業成長を支援するパートナーとしての役割を果たします。
一時的な繁忙期対応や部分的な業務委託から、継続的な物流センター運営まで柔軟に対応可能です。
倉庫の移設や業務フロー改善、IT活用による効率化まで、段階的な改善プロセスを提供し、物流品質を継続的に向上できます。
物流サービスは、企業の成長を支える重要な経営戦略です。事業拡大に伴う物流業務の複雑化や人手不足が深刻化する現代において、専門業者のノウハウを活用することで、コストの最適化と高品質なサービス提供を同時に実現できます。
受注業務から倉庫管理、配送まで多様なサービスが提供されており、自社のニーズに合わせて必要な業務を選択できる柔軟性も魅力です。商物分離の考え方を取り入れることで、営業担当者は本来のコア業務に集中でき、物流品質の向上と業績アップの両立が可能になります。
物流サービスを導入する際は、立地条件やサービス内容、設備の充実度を総合的に判断し、自社商品の特性に適した業者を選定することが重要です。適切な物流パートナーと協力することで、顧客満足度の向上と持続的な事業成長を実現できるでしょう。
ネオロジスティクスは、入荷から配送まで一貫したワンストップサービスを提供し、継続的な改善で事業成長を支援します。物流課題の解決により、顧客満足度の向上と事業拡大を実現いたします。