
物流アウトソーシングの比較ポイント7選!BtoB・BtoC別の選び方
2026/08/26
「BtoC(個人向け)ECのノウハウだけでは、BtoB特有の複雑な納品ルールに対応しきれない」
EC事業を推進する経営者の皆様の中で、このようなお悩みを抱えてはいませんか?
EC事業が成長段階に入ると、個人消費者向け(BtoC)だけでなく、卸売や店舗納品などの企業間取引(BtoB)のボリュームが増加します。
しかし、BtoB物流はケース・パレット単位の大量出荷や指定伝票・検品基準など、BtoCとは全く異なる厳格な管理体制が求められます。
自社リソースだけでこれらに対応しようとすると、物流コストの高騰や誤出荷リスクだけでなく、経営層・社員の貴重な時間が奪われる原因となります。
そこで今、経営課題を解決する手段として注目されているのが「BtoBの物流アウトソーシング(3PL・発送代行)」です。
本記事では、BtoB物流アウトソーシングの基本概要から、BtoCとの決定的な違い、導入によって得られる経営上のメリット、費用の相場、失敗しない委託先の選び方までを徹底解説します。
BtoBの物流アウトソーシングとは、企業間取引で発生する入荷、保管、在庫管理、ピッキング、検品、梱包、流通加工、出荷などの物流業務を、専門の物流会社へ委託することです。
単純に荷物を預けて発送してもらうだけでなく、在庫管理の仕組みや作業工程を含めて物流全体を設計・改善してもらう「3PL(サードパーティー・ロジスティクス)」型のサービスもあります。
物流会社を単なる作業の代行先ではなく、自社の物流部門を補完するパートナーとして活用する考え方です。
一般的な物流アウトソーシングでは、自社の商品を委託先の物流センターへ入荷し、物流会社が検品・保管します。
その後、自社の販売管理システムや受注管理システムなどから出荷データを物流会社へ連携し、指示内容に沿って商品をピッキング。
さらに、必要な検品や梱包、伝票発行などを行った上で、卸売会社、小売店舗、法人顧客などの納品先へ発送します。
WMS(倉庫管理システム)を利用する物流会社であれば、商品の入出荷や保管場所、在庫数、ロット、賞味期限などをシステム上で管理することも可能です。
委託できる業務は物流会社によって異なりますが、主に次のようなものがあります。
どこまで委託するかは、自社の物流課題や商品特性によって決める必要があります。
単純な保管・発送だけを依頼する方法もあれば、流通加工や在庫管理、物流改善まで含めて委託する方法もあります。
BtoB物流で特に注意したいのが「納品先ごとに条件が異なる」という点です。
同じ商品を発送する場合でも、取引先によって「指定されたラベルを貼る」「店舗単位に仕分ける」「指定伝票を添付する」「ケース単位で出荷する」「パレットで納品する」といった条件が設定されることがあります。
納品時間や車両、梱包形態などが指定される場合もあるでしょう。
こうした条件を守れないと、納品拒否や再納品などにつながる可能性があります。
そのためBtoB物流では、単純な出荷スピードだけではなく、取引先ごとのレギュレーション(ルール)を正確に管理できる仕組みが重要です。
BtoB物流とBtoC物流の違いを表にまとめました。
| 比較項目 | BtoB物流 | BtoC物流 |
|---|---|---|
| 出荷数量(ロット) | パレット・ケース(箱)単位が基本 | ピース(個品・バラ)単位が基本 |
| 配送手段 | チャーター便・路線便・特別積合せ便 | 宅配便(標準配送)・メール便 |
| 保管・荷役 | パレット・ケース単位での保管・荷役が中心。 フォークリフトを使用するケースが多い |
ピース単位での棚・ロケーション保管が中心。 人手によるピッキング・仕分けが多い |
| 納品ルール | 量販店・工場別の厳しいレギュレーションあり | 標準的な宅配ルール(ルールはほぼ一律) |
| 伝票・帳票 | 納品先指定の専用伝票、ASN(事前出荷明細)等 | 標準的な納品書・同梱請求書・送り状 |
| 納品・指定時間 | 時間帯・曜日・搬入導線指定が厳格・待機時間あり | 消費者の希望配達時間帯(比較的柔軟) |
| 業務の重点 | 納期遵守率、レギュレーション適合、誤出荷ゼロ | 当日出荷スピード、ラッピング等の購入者体験 |
BtoB物流を自社で運営している企業では、事業規模の拡大とともに物流業務が経営課題へ発展する場合があります。
ここでは、BtoB物流で起こりやすい4つの課題について解説します。
BtoB物流の難しさの一つが、納品先別のルール(レギュレーション)管理です。
たとえば、取引先ごとに指定伝票、値札、ラベル、梱包方法、納品時間などが異なれば、それぞれを正確に把握しなければなりません。
ルールが担当者の経験や記憶に依存している場合、その担当者が休職・退職した際に業務品質を維持できなくなるリスクもあります。
物流アウトソーシングを検討する際には、こうした個別ルールを作業手順として標準化できるかが重要になります。
BtoBでは、一度の受注で数十ケース、数パレットといった大口注文が入る場合があります。
一方で、年間を通して同じ物量が発生するとは限りません。
キャンペーン、新商品の発売、季節需要、決算期などによって物流量が大幅に変動する事業もあります。
繁忙期を基準に人員や倉庫スペースを確保すると、閑散期には余剰コストが発生します。
反対に平常時を基準にすれば、繁忙期に人手やスペースが足りなくなる可能性があります。
こうした「物流能力をどの物量に合わせるか」という問題は、自社物流の大きな悩みになりやすいポイントです。
物流業界では、輸送を担う人材不足への対応が重要な課題となっています。
輸配送を「必要なときに依頼すれば良い」という考え方だけでは、安定的な物流体制を構築しにくくなる可能性があります。
物流会社がどの運送会社と連携しているのか、路線便やチャーター便など複数の配送手段を確保できるのかも、委託先選定における重要な確認事項です。
同じ商品を自社EC、ECモール、卸売、店舗など複数の販売チャネルで販売すると、在庫管理は一気に複雑になります。
たとえば「EC用在庫は欠品しているのに卸売用在庫は残っている」といった状態では、販売機会を逃す可能性があります。
BtoBとBtoCの在庫を一元的に管理できれば、在庫状況を把握しやすくなり、販売チャネル間で在庫を効率的に活用できるようになります。
BtoB物流のアウトソーシングを活用することで、主に次の6つのメリットが期待できます。
自社物流では、倉庫賃料、人件費、設備費などが固定費として発生します。
繁忙期に合わせて人員やスペースを確保すれば、物量が少ない時期でも一定のコストを負担しなければなりません。
物量に応じた料金体系を採用する物流アウトソーシングであれば、保管量や出荷量に応じて物流費を変動させやすくなります。
物流の専門会社では、WMSやハンディターミナルなどを利用して商品・数量・出荷先を照合する仕組みを構築しているケースが多いです。
人の目だけに頼る作業と比較して、システムによる確認工程を組み合わせれば、誤出荷を防ぐ仕組みを作りやすくなります。
特にBtoBでは誤納品が取引先との信頼関係に影響する可能性があるため、出荷精度は委託先選びの重要な評価項目です。
複数企業の物流を運営している物流会社であれば、人員や保管スペースを調整し、物量の増減に対応できる場合があります。
自社だけで繁忙期用の人材を採用・教育する負担を抑えられることは大きなメリットです。
ただし、どの程度まで物量増加に対応できるかは物流会社によって異なるため、「通常月○件、繁忙期○件」のように具体的な数字を提示して確認することが重要です。
在庫精度を高めようとすると、WMSなどの導入が必要になる場合があります。
自社でシステムを選定・構築し、端末や機器を揃え、運用担当者を育成するには相応の投資が必要です。
物流会社が保有するシステムを利用できれば、自社ですべての物流システムを一から構築する場合と比較して初期負担を抑えられる可能性があります。
外部サービスを利用して必要なデジタル機能を確保することで、限られた経営資源を有効活用することにつながります。
BtoBとBtoC、または、卸売・店舗・自社EC・ECモールなどの在庫を同じ物流拠点・WMSで一元的に管理できれば、販売チャネルごとに在庫を分断する必要がなくなり、欠品や過剰在庫を防げます。
ただし、受注管理システムや販売管理システムとの連携可否は事前確認が必要です。
経営者にとって特に大きなメリットが、社員の時間を本来の業務へ振り向けられることです。
商品企画や営業を担当する社員が、繁忙期になるたびに梱包や出荷を手伝っている状態では、売上を作るための活動が停滞しかねません。
物流業務を専門会社へ委託することが、「誰が何を担当するべきか」という経営資源配分を見直す良いきっかけとなるでしょう。
物流アウトソーシングには多くのメリットがありますが、すべての企業に無条件で適しているわけではありません。
ここでは、導入時のデメリット・注意点をご紹介します。
物流業務をすべて外部へ任せると、現場で発生している問題や改善方法を自社で把握しにくくなる可能性があります。
「委託したから物流は物流会社に任せる」のではなく、KPIや定例会議を通じて状況を共有することが大切です。
誤出荷率、在庫差異、出荷リードタイム、物流費などの指標を継続的に確認できる体制を整えましょう。
物流拠点の移転では、在庫移動、システム設定、マスタ登録、作業手順書の作成、テスト出荷などが必要になります。
特に取扱SKUや納品先が多い企業では、移行準備に一定の時間を要します。
目先の出荷業務だけでなく、移行計画を含めて支援してくれる物流会社を選ぶことが重要です。
自社倉庫なら「今日中にどうしても出荷したい」といった依頼へ柔軟に対応できる場合があります。
アウトソーシングでは、出荷指示の締め時間や当日出荷の条件が設定されていることが一般的です。
緊急対応が多い企業は、契約前に「何時までの指示なら当日出荷できるか」「緊急出荷に対応可能か」「追加料金はいくらか」などを確認しましょう。
物流アウトソーシングの費用は、商品特性、保管量、出荷量、作業内容などによって変動します。
そのため、一律の相場だけで判断するのではなく、自社の物流条件を整理した上で見積もりを比較することが重要です。
ここでは、一般的なBtoB物流アウトソーシングの費用体系について解説します。
主な費用項目は、「作業料」「倉庫料」「管理料」の3点です。
入荷、出荷、流通加工、棚卸などに伴う作業量です。
保管料、マテハン機器類利用料などが該当します。
事務管理、システム利用などが該当します。
物流費は、大きく固定費と変動費に分けて考えると比較しやすくなります。
固定費には月額基本料やシステム利用料などが含まれ、変動費には入荷件数、保管量、出荷件数、作業量などに応じた料金が該当します。
重要なのは「単価が安い会社」を選ぶことではなく、自社の物量変動を当てはめた年間総額で比較することです。
料金を左右するのは、主に次の条件です。
同じ「月1,000件出荷」でも、1件1商品を発送する物流と、店舗ごとに数十SKUを仕分けて指定ラベルを貼る物流では必要な作業量が異なります。
正確な見積もりを得るためには、できるだけ具体的な物流データを提示しましょう。
最低でも、SKU数、在庫量、月間入出荷量、出荷先数、出荷単位、商品サイズ、繁忙期の最大物量、必要な流通加工、納品先ルールなどを整理しておくことをおすすめします。
直近6~12ヵ月程度の物量実績があれば、物流会社側も必要な人員やスペースを算定しやすくなります。
料金だけで委託先を決めると、稼働後に「必要な作業へ対応できない」「システム連携が難しい」といった問題が発生する可能性があります。
食品、化粧品、アパレル、電材、雑貨など、商材によって物流管理のポイントは異なります。
たとえば、賞味期限管理、ロット管理、シリアル番号管理など、自社商品に必要な管理方法へ対応した実績があるかどうかを確認しましょう。
主要な納品先(百貨店・量販店・大手ECなど)の指定伝票出力、指定ラベル貼付、指定日時納品などの運用実績が豊富かどうかを確認しましょう。
BtoB物流では特に重要な評価項目となります。
現在利用している基幹システム、販売管理システム、受注管理システム、ECシステムなどと連携できるかも重要です。
CSVによるデータ連携なのか、APIなどを利用できるのか、どこまで個別開発できるのかを確認しましょう。
単に依頼した作業をこなすだけでなく、「配送ルートの見直し」「梱包資材の最適化によるコスト削減」「在庫回転率の向上」など、物流改善の提案(3PL提案)を行ってくれるパートナーを選びましょう。
主要な配送先へのアクセスが良く、運賃を抑えられる立地(首都圏近郊、関西圏など)にあるか、地震や水害といった災害発生時のバックアップ・BCP体制が整備されているかをチェックします。
一般的なBtoB物流アウトソーシングの導入検討から稼働開始までのプロセスを、4つのステップで解説します。
自社の毎月の出荷ボリューム、SKU数、保管坪数、物流にかかっているコスト(人件費・賃料・配送費)を可視化し、「何のために外注するのか(コスト削減、出荷精度向上、コア業務集中など)」を明確にしましょう。
条件をまとめたRFP(提案依頼書)を作成し、3~4社程度の物流会社に提示して見積もり・提案を依頼しましょう。
提示されたコストだけでなく、提案内容や対応範囲を比較検証します。
候補となる委託先倉庫を実際に現地訪問・視察します。
倉庫内の整理整頓(5S)やセキュリティ体制を確認した上で、業務範囲やSLA(サービス品質保証項目)、損害賠償規定を明確にした契約を締結します。
自社システムとWMS間のデータ連携テストを実施します。
マニュアルの作成とテストピッキング・出荷検証を経て、段階的(または一括)に在庫を移動させ本稼働を開始します。
BtoB物流アウトソーシングに関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
A1.もちろん可能です。
複数店舗への店舗仕分け作業、A品、B品の検品仕分作業、ラベル貼付、値付作業、ギフトラッピング、セット組作業、数点部材の組立、特殊包材への梱包作業など様々な付帯作業を対応させて頂いております。
A2.どちらも対応可能です。
多くのお客様がBtoB形態での物流事業を対応させて頂いてまいりましたが、昨今のニーズの拡大もありBtoC形態、通販(EC物流)物流の対応についても対応を拡大させて頂いております。
それぞれ特有の事情や要件に合わせて大口(少品種大量)での入出荷保管から、小口(多品種少量)での入出荷保管まで全て対応しております。
中にはBtoB形態でありながらEC事業をされている事業者様もあったりと、時代の流れに合わせて弊社の対応も柔軟にお応えしております。
A3.弊社からご提示させて頂く御見積内容の構成としては大きく3つの項目に分かれております。
【作業料】入荷、出荷、流通加工、棚卸
【倉庫料】保管料、マテハン機器類利用料
【管理料】事務管理、システム利用
上記の構成が主なものとなっています。基本的には各項目の単位・単価を設定し、ご提示させて頂いております。
お客様のご要望や要件、ご事情に合わせて内容は異なりますので、まずはお問合せ下さい。
無料見積・無料相談はこちらからお願い致します。
A4.弊社ではお客様の要件に合わせて自社開発でのWMSにて管理させて頂いております。
基本的にはCSVデータでの情報交換をさせて頂いております。
ただし、実績としてお客様のご要望にお応えするべく、市販商品やクラウド上のシステムなどの活用により連携可能なシステム選定の上で活用しているケースもございます(Airロジなど)。
自動連係等をご希望の場合はお打合せの上で、実現に向けて努めさせて頂きますのでお気軽にお申しつけ下さい。
A5.手配可能です。軽車両、2t、3t、4t、10t、トレーラー、コンテナドレージなど様々な車種での手配が可能です。
積載効率を考慮し、車両の規格の選定など手配のご相談をお受けしております。
A6.もちろん可能です。
自社物流では実現が難しい物流コストの変動費化を叶えられる様、お手伝いさせて頂きます。
弊社施設だけでは吸収しきれない繁閑差が生じる場合でも、近隣の協力会社のお力をお借りし、対応させて頂いております。
BtoB物流は、大ロット出荷・厳格な納品ルール・ミス発生時の大きな損害リスクなど、BtoC物流とは異なる専門性と管理基準が求められます。
自社リソースで対応しきれない課題を抱えている場合は、専門知識と高機能なインフラを持つBtoB物流アウトソーシング(3PL)を活用するのが最も効果的な解決策です。
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