3PLとは?意味や特徴、メリット、業者の選び方を解説!

3PLの意味について

2022/10/28

3PLという言葉を、耳にされたことはないでしょうか。

物流業界に、深く関係する用語である3PL。

近年、EC市場の拡大や物流コストの高騰、そして慢性的な人手不足により、多くの企業が物流戦略の見直しを迫られています。
複雑化する物流業務を自社だけで対応し続けることには限界があり、企業の成長を阻害する要因になりかねません。

今回は、経営課題を解決する手段として注目されている3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)について、その意味や導入するメリット、デメリット、そして最適な業者を選ぶためのポイントを解説します。

3PLとは

3PLとは「Third Party Logistics(サードパーティー・ロジスティクス)」の略称で、企業における物流の部分を、部門ごと第三者に委託する形式を指します。

3PLは単に輸送や倉庫での保管といった一部の業務を外部に任せるだけでなく、物流戦略の立案から実行、改善までを一貫して任せる点が特徴です。
これにより、企業は物流の最適化を図りつつ、本業に経営資源を集中させることができます。

  • ファーストパーティー…メーカー
  • セカンドパーティー…小売業者
  • サードパーティー…物流業者

上記のように呼ばれています。

また、もう一つ、

  • ファーストパーティー…荷主(メーカー・卸売業・小売業)
  • セカンドパーティー…実運送手段を持つ物流業者(キャリア)
  • サードパーティー…実運送手段を持たない事業者

という別の見方もあります。

3PLと4PLの違い

3PLと似た概念に「4PL(Fourth Party Logistics/フォース・パーティ・ロジスティクス)」があります。

4PLは、3PLに「物流コンサルティング」を加えたものです。

つまり、物流業務の単なる代行ではなく、サプライチェーン全体の最適化といった、より広範な「マネジメント」までを委託できます。

なお、4PL事業者は自社では物流資産を持たず、複数の3PL事業者や運送会社を統括し、サプライチェーン全体の設計や改革を行っています。

3PLの種類

3PLには、「アセット型」と「ノンアセット型」の2種類があります。

アセット型

アセット型の3PL業者は、倉庫・トラックなどの物流の資産・設備(アセット)を全て自社で所有しています。
委託する場合は「専任の1社に物流部門を丸ごと代行してもらう」というイメージです。
物流部門を一括で管理するため、依頼者側の企業と協力体制を築きやすいという点が特徴です。

迅速な対応や、コストを抑えたサービス提供が期待できる一方で、自社が保有する資産に縛られるため、柔軟な対応が難しいケースもあります。

ノンアセット型

ノンアセット型の業者は自社で物流手段(アセット)を持つ代わりに、複数の倉庫業者や輸送業者と提携して委託業務を行います。
蓄積してきた物流のノウハウを使って、依頼企業に最適な流通手段を提案するのがノンアセット型の特徴です。
依頼者側の要求に対して、柔軟に保管場所や輸送手段を変更するなどの対応が可能というメリットがあります。

ただし、自社の資産を持たないため、対応のスピードやコスト面でアセット型に及ばない場合があります。

なお、ネオロジスティックスで提供する3PLはノンアセット型となっております。

3PLを取り巻く状況

近年、3PLが注目される背景には、企業が抱える物流課題や、物流業界を取り巻く外部環境の変化が深く関わっています。

物流業務における課題

物流業務においては近年、コスト増や人材不足などの課題が生じています。

自社物流には莫大なコストがかかる

自社で物流を管理する場合、倉庫の賃料やトラックの購入・維持費、人件費、燃料費など、莫大なコストが発生します。

特にEC事業者は物量の変動が大きいため、閑散期にはコストが無駄になり、繁忙期にはリソース不足に陥るなど、非効率な経営を強いられることがあります。

3PLの導入で単純にコスト削減になるというよりは、変動費化でいることでトータルなコストメリットを出せるようになります。

物流人材の不足

ご存知のように、物流業界は長年、慢性的な人手不足に悩まされています。

特にトラックドライバーの不足は深刻で、「2024年問題」に代表されるように、今後もこの傾向は続くと予想されています。

このため、安定した物流体制を自社で維持することが困難になっています。

物流を取り巻く外部環境の変化

上記のように明確な課題とはいかないまでも、物流を取り巻く外部環境が変化しており、これに対処するためにも3PLは求められています。

主な変化としては、次の3点が挙げられます。

EC市場の拡大

コロナ禍を機に、EC市場が急成長しており、物流のニーズも多様化・高度化しています。

消費者の要求の高まりから、「翌日配達」や「送料無料」といったサービスも当たり前になっています。

「ロジスティクス4.0」の進展

「ロジスティクス4.0」とは、AI、IoT、ロボティクスといった先進技術の導入により、物流プロセス全体を最適化することです。

3PL業者が「ロジスティクス4.0」に取り組むことで、物流の自動化・効率化を加速させ、よりコスト効率や質の高いサービスを提供できるようになっていることも、3PLの拡大を後押ししています。

国土交通省による3PL推進事業

政府も3PLを積極的に推進しています。

国土交通省は、物流の効率化と高度化を図るため、3PL事業を支援するさまざまな取り組みを行っています。

その狙いは、物流効率化による地球温暖化問題への対応(CO2排出量の削減)や、地域雇用の創出などです。

国土交通省の推進について詳しくは、下記のサイトをご覧ください。
物流:3PL事業の総合支援

3PL導入のメリット

EC事業者などが3PLを導入することで、コストの最適化や本業への集中、物流品質の向上などのメリットが期待できます。

コストを最適化できる

自社で倉庫や車両を保有する代わりに、3PL事業者に委託することで、物流コストを変動費化できます。

これにより、物量の増減に合わせて柔軟にリソースを調整できるため、無駄なコストを削減し、最適化を図れます。

本業に集中できる

物流部門そのものを物流業者に委託することで、本業へ集中できることがメリットです。

委託によって、もともと自社で用意していた倉庫や輸送に関わる人材等が不要となります。

設備・人材に使っていた資金を、メーカーの本業である製造・製品開発に使用できるのです。

また、物流部門のマネジメントに割いていた時間も有効活用できます。

物流品質の向上

3PL事業者の最新の物流システムや専門的なノウハウを活用することで、誤出荷の削減、リードタイムの短縮、在庫管理の精度向上など、物流品質を大幅に向上させることができます。

その結果、顧客満足度の向上も期待できます。

3PL導入のデメリット

一方、3PL導入には懸念されるデメリットもあります。

自社にノウハウが蓄積しない

物流業務を全面的に外部に委託するため、自社内に物流に関する専門的な知識やノウハウが蓄積されにくくなります。

将来的に内製化を検討している場合は、この点が課題となります。

なお、3PL業者によっては、このデメリットを解消すべく、レポートの提供などを行っているところもあります。

ネオロジスティックスでは、物流を可視化したレポーティングを基に定例ミーティングを開催することで、お客様の社内にノウハウを蓄積するサポートを行っております。

緊急時やトラブル発生時への対応に懸念がある

システムトラブル、天候不順、災害などの緊急事態が発生した際、委託先との連携がうまくいかないと、対応が遅れてしまう恐れがあります。

対策としては、日頃から密なコミュニケーションを取り、有事の際の連絡体制を構築しておくことが重要です。

活用事例

3PLは、さまざまな業界で活用されています。

ここでは、実際にネオロジスティックスのお客様の導入事例から「EC・通販業」「卸売業」「製造業」の3つの業界において、どのように活用されているかをご紹介します。

EC・通販業

EC・通販業では、物流に関して、次のようなお悩みを抱えがちです。

  • 最初はマンションの一室でスタートするも、事業の拡大とともに商品の管理スペースがなくなってしまった
  • 商品の管理・発送に手を取られて本業である商品の開発が進まなくなってしまった
  • 最初は数点の商品が数千点に膨れ上がり自前の手・目の管理では追いつかなくなってしまった
  • 販管システムは活用しているが、商品・在庫管理のためのシステムが必要になった
  • 輸送チャネルが自分たちでは選択肢がなく、その選定も難しい

実際にEC・通販を手がけるA社様では、それまでは、数名の社員で商品の仕入・開発・販売・ECサイト運営などに加えて、入出庫まで全てを自分たちでやってきましたが、事業が成長・拡大するにつれ、現状のスペースと管理ではこれ以上の商品を抱えることが難しいとお悩みでした。

そこで、物流事業を当社へアウトソーシングいただき、お客様にはコア事業となる「仕入」と「販売」に集中していただくことをご提案しました。

また、お任せいただく物流事業をより良い物流へ改善するために「輸送業者」を整理・管理し、倉庫内での情報システム を活用することで、ユーザーへのサービス向上を付加価値としてご提案しました。

その結果、アウトソーシングを行うことで、本業である商品開発・仕入・販売業務に注力いただく体制を構築できました。

さらに、お客様が販売力の強化に専念した結果、バイヤーを複数名増員するまでになりました。

卸売業

卸売業では、物流に関して、次のようなお悩みを抱えがちです。

  • 商品種類が増加し、保管スペースがない
  • 事業の発展とともにサービス向上のため細かな作業が多くなった
  • 各専門業者を複数社利用することで、管理が煩雑になった
  • 商品の保管スペースが都市部にあり、ランニングコストが上がってしまった
  • 専門業者と同様に物流拠点が分散され、在庫管理が煩雑になってしまった

実際に海外から商品を仕入れて販売するB社様では、それまで、港近くの倉庫業者に一時保管と出荷作業を任せていましたが、保管スペースが手狭で商品の種類を増やせないことに課題を感じられていました。

そこで、商品の一時的な保管と都度発生する出荷業務をお任せできる倉庫業者を探していました。

当社でお客様の課題を分析したところ、物流「拠点」の分散と、物流「機能」の分散という2点の解決すべき課題が見えました。

そこで当社からは、お客様の物流事業のおける「国内外の一貫物流対応」のアウトソーシングをご提案しました。

3PL導入後は、業者と本社で合計3ヵ所に分かれていた物流拠点が一括管理されるようになりました。

また、当社にて輸送業者の管理も一貫して行うことで、返品からの細かな再生作業にも対応させていただくようになりました。

製造業

製造業では、物流に関して、次のようなお悩みを抱えがちです。

  • 物流事業に関するトータルコストを見直したい
  • 長らく属人的な管理に頼ってきたため、担当者不在の度に困る
  • 在庫管理同様に発注処理も属人的であったため、欠品が多発し販売機会を損失している
  • 自社倉庫のため、固定の地代に加え季節変動する倉庫稼働率も閑散期分が無駄になる
  • ロケーション管理と在庫管理の精度が低いために誤出荷が多発して、困っている

製造業を手がけるC社様では、現状の倉庫を工場に転用したいため倉庫をアウトソーシングしたいという要望を持っていました。

また、取引先への顧客サービス向上を第一に、倉庫のアウトソーシングを機に自社の物流事業を見直すことも目標となっていました。

そこで、ヒアリングさせていただいたところ、コスト構成の見直しの必要性や入庫・出庫情報にタイムラグが生じていること、在庫管理や発注店管理などの業務が属人化しているといった課題が浮き彫りになりました。

当社にて、「物」「人」「情報」の管理を一手にお任せいただくことにより、トータルでのコスト削減、効率良く確実な物流環境の提供を行った結果、お客様にはより製造・開発事業という本業へ専念いただけるようになりました。

3PL業者を選ぶ際のポイント

最適な3PL業者を選ぶためには、以下の点を考慮することが重要です。

委託したい業務を明確にする

まずは、自社が抱える物流課題を洗い出し、どの業務をどこまで委託したいのかを具体的に整理しましょう。課題が明確になることで、業者とのミスマッチを防ぎ、より効果的な提案を引き出すことができます。

たとえば、「ECサイトの出荷業務だけ委託したい」のか、「入庫から出荷、返品対応まで全て任せたい」のかで、選ぶべき業者は変わってきます。

自社が得意とする業務は、そのまま残した方が良いケースがあります。

実績やノウハウ

委託先が、自社の扱う商材や業界に特化した実績やノウハウを持っているかどうかを確認しましょう。

冷凍・冷蔵品、精密機器、アパレル商品など、商材ごとに求められる物流ノウハウは異なります。

また、同業他社の事例を豊富に持っている業者であれば、より具体的な改善提案が期待できます。

サービスの質とコスト

提案されたサービス内容とコストのバランスを見極めることも重要です。

単に料金が安いだけでなく、サービス品質や提案力、長期的な視点で見た場合のコスト削減効果や業務効率化につながるかどうかがポイントとなります。

さらに、見積もり内容が明確で、費用対効果について丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。

柔軟性と対応力

物流業務には、物量の変動や季節的な需要増など、イレギュラーな事態がつきものです。

繁忙期に物量が増えても柔軟に対応できる体制が整っているか、また災害やシステムトラブルといった緊急時への対応力があるかを確認しましょう。

柔軟な対応ができる体制は、ビジネスを安定させる上で不可欠です。

システムの充実度

在庫管理システム(WMS)など、物流管理システムが充実しているか、また自社の販売管理システム(OMS)などと連携できるかどうかも重要な選定ポイントとなります。

リアルタイムでの在庫状況や出荷状況が把握できるシステムが導入されていれば、情報共有がスムーズになり、業務効率が格段に向上するでしょう。

ネオロジスティクスの3PL

ネオロジスティクスは、大阪エリアにてお客様の多様なニーズに応える3PLサービスを提供しています。

独自のノウハウと最新のシステムを駆使し、コスト削減、業務効率化、そして物流品質の向上をサポートいたします。

ネオロジスティクスの3PLのつよみ

ネオロジスティクスの3PLは、以下の5点を特徴としております。

  • 物流コストの「固定費」を「変動費」化
  • 「ピース」(バラ)単位での細かな業務対応
  • WMS(倉庫管理システム)の自社開発・運用
  • ITと現場力で「物流部門」として伴走する体制を構築
  • 協力会社様との協業で多岐にわたる物流計画への対応

特に、カスタマイズ力は、他社にはない強みとして自負しております。

細かな単位・作業・管理で運用を必要とされるお客様には、当社の3PLサービスのご利用がおすすめです。

貴社の物流課題を解決する最適なパートナーとして、ぜひ一度ご相談ください。

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