
SDGsへの物流業界の取り組み事例!倉庫や配送の課題や解決策を解説
2026/02/16
自社の成長に伴い、物流業務の負担増に悩むEC運営者は少なくありません。
特に経営判断として「自社物流を維持すべきか、物流アウトソーシングへ切り替えるべきか」は、コストと品質のバランスを左右する極めて重要な分岐点です。
物流業界では、労働力不足や配送コストの高騰が深刻な課題となっており、中小企業ほど効率的な物流体制の構築が急務となっています。
そこで、この記事では、自社物流と物流アウトソーシングの決定的な違いや、それぞれのメリット・デメリット、自社に最適な手法を選ぶための判断基準を詳しく解説いたします。
EC事業の拡大において、避けて通れないのが物流体制の構築です。
物流体制には大きく分けて「自社物流」と「物流アウトソーシング」の2つがあり、それぞれコスト構造や管理体制が根本から異なります。
自社物流と物流アウトソーシングには以下のような違いがあります。
物流アウトソーシングとは、物流業務の全部または一部を外部の専門業者(3PL:サードパーティ・ロジスティクス)に委託する形態です。
商品の発送業務をプロに任せることで、マーケティングや商品開発といったコア業務にリソースを集中させることができるようになります。
出荷件数に連動してコストが発生するため、経営の効率化とリスク分散を両立しやすいという特徴があります。
一方、自社物流とは、商品の入庫、保管、ピッキング、梱包、配送までの全工程を自社のリソースで行う形態を指します。
自社の倉庫を持ち、直接雇用したスタッフによって運用するため、現場のコントロールが容易で、自社独自の細かな梱包ルールや急な仕様変更にも即座に対応できる点が強みです。
「自社ならではの付加価値」を物流面で出しやすい反面、出荷件数が少ない時期でも固定費が発生し続けるリスクがあります。
上でもご紹介したように、物流アウトソーシングとは、自社で行っていた商品の保管、管理、配送などの一連の物流業務を、外部の専門企業に委託することを指します。
単に「発送を代行する」だけでなく、物流戦略の最適化を含めた包括的なサービス提供が主流となっています。
物流アウトソーシングには、関与度合い(段階)によって、いくつかの種類があります。
3PLは、荷主企業に対して物流の設計・運営を包括的に請け負う形態です。
倉庫管理から配送までをワンストップで委託できるため、現在のEC物流における最も一般的なアウトソーシング形態といえます。
4PLは、3PLに「コンサルティング機能」が加わった形態です。
自社で物流資産を持たない業者が、複数の3PL業者を束ねて、より高度なロジスティクス戦略の立案から実行までを主導します。
物流を外部委託することで、日々の煩雑なルーティンワークをすべてプロの手に任せられます。
製造元や仕入先から届いた商品を検品し、システム上に反映させた後、倉庫内の適切な棚に保管します。
正確な検品作業は、その後の在庫トラブルを防ぐ要となります。
WMS(倉庫管理システム)を用いて、商品の鮮度管理や欠品防止をリアルタイムで行います。
定期的な実地棚卸により、帳簿上の数値と現物の差異をゼロに近づけます。
注文データに基づき、商品をピックアップして梱包し、配送業者へ引き渡す工程です。
ECサイトの印象を左右する丁寧な梱包が、顧客満足度の向上に直結します。
ピッキング作業によって集められた荷物は次のステップである検品の担当者へと引き渡されます。
ピッキングの方法は大きく分けると以下の2種類です。
同じピッキングでも会社によって食料品や電化製品など扱う品物にさまざまな違いがあります。
ラベル貼り、ギフトラッピング、セット組みといった付加価値を生む作業(流通加工)や、EC特有の課題である「返品」への対応も委託が可能です。
押さえておくべき、物流アウトソーシングのメリットとデメリットは、次の通りです。
改めて、自社物流とは、自社で倉庫スペースを確保し、スタッフを雇用して商品の管理や発送業務をすべて内製化する形態です。
ECサイトを立ち上げた当初は、手近なスペースや自社拠点から発送を始めるケースが多く、事業の原点ともいえる体制です。
多くの企業が自社物流を維持する最大の理由は、コントロールのしやすさにあります。
自社のスタッフが直接、業務にあたるため、梱包の仕上がりや同梱物の変更、急なキャンセル対応など、顧客体験に直結する細かい要望を即座に現場へ反映できるからです。
また、物流現場と他部門が物理的に近いことで、商品トラブルや在庫状況の異変にすぐ気づけるという安心感も選ばれる要因となっています。
一方で、事業が成長し出荷件数が増えてくると、以下のような「負の側面」が顕在化し、経営層を悩ませます。
自社物流で起こりがちな悩みについては、下記の記事もご覧ください。
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物流業界が抱える課題について
物流遅延の原因とは?
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ここで改めて、自社物流のメリットとデメリットを整理してみましょう。
自社物流の主なメリットは、次の3点です。
一方、自社物流にも下記のようなデメリットや注意点があります。
経営において「物流コスト」をどう捉えるかは、キャッシュフローの安定性に直結します。
自社物流と物流アウトソーシングでは、費用が発生するタイミングや性質が大きく異なります。
以下で詳しくご紹介します。
| 費用項目 | 自社物流(インハウス) | 物流アウトソーシング(3PL) |
|---|---|---|
| 費用の性質 | 固定費が中心(売上に依らず発生) | 変動費が中心(出荷数に応じて発生) |
| 初期投資 | 敷金、設備導入、システム構築で高額 | システム連携費などの比較的少額な費用 |
| 人件費 | 毎月の給与・採用費(固定) | 作業単価に含まれる(変動) |
| コスト管理 | 見えにくいコスト(不透明)が多い | 1件あたりのコストが明確 |
自社物流の場合、一度、構築すると毎月一定の金額が「固定費」として計上されます。
費用内訳は、次の通りです。
設備・不動産コストには、倉庫の賃料や光熱費、商品を保管するための棚(ラック)やフォークリフトなどのマテハン機器のリース代が含まれます。
これらは出荷がゼロの日であっても発生し続けるコストです。
人件費として、物流現場で働くスタッフの給与、社会保険料、福利厚生費、さらには採用費や教育費がかかります。
繁忙期に合わせて人員を確保すると、閑散期には過剰な人件費が経営を圧迫する要因となります。
維持管理コストには、倉庫管理システム(WMS)の保守費用や、倉庫内の清掃・修繕費、棚卸に伴う人件費などが含まれます。
また、自社で車両を持つ場合は、燃料代や車両のメンテナンス費用も発生します。
一方、物流アウトソーシングでは「使った分だけ支払う」仕組みが基本となります。
最初に、委託を開始するためのシステム連携設定費、在庫情報の登録、運用フローの設計費用などが発生します。
自社で倉庫を構える初期投資に比べれば、大幅に低く抑えることが可能です。
保管料とは、倉庫内で商品を預けているスペースに対して発生する費用です。
パレット単位や棚単位、商品1点単位など、在庫量に連動して計算されるため、在庫適正化のインセンティブが働きます。
荷役費とは、入庫時の検品や、注文後のピッキング、梱包といった「作業」に対して発生する費用です。
「1点につき〇〇円」という単価設定のため、1件あたりの利益計算が容易になります。
荷物を発送する際の実費です。
大手物流代行業者は、多くの荷主を抱えているため、運送会社と有利な条件で契約していることが多く、自社で発送するよりも1件あたりの配送料を安く抑えられるメリットがあります。
自社物流と物流アウトソーシングのどちらが正解かは、企業の事業フェーズや戦略によって異なります。
以下の3つの視点から自社の状況を照らし合わせ、最適な選択を下すことが重要です。
最も重要な判断基準は、“限られた「ヒト・モノ・カネ」という経営資源をどこに投下すべきか?”という点です。
物流は専門性が高く、自力で維持・改善するには膨大なエネルギーが必要です。
そのリソースを主力事業に振り向けた方が全体最適につながるのであれば、プロに委託する価値は極めて高いといえます。
次に、事業リスクとしての「コスト構造」をどう捉えるかという観点から検討します。
特に成長過程にある中小企業やスタートアップにおいては、キャッシュフローの予測が立てやすい変動費化の方が、経営上のリスクを抑えられる傾向にあります。
最後に、物流品質に対する「継続性」の視点から検討してみましょう。
物流現場では、絶え間ない業務改善(カイゼン)が求められます。
自社物流ではさまざまな悩みが起こります。
物流アウトソーシングを利用することにより、「機会損失を回避できる」「商品企画や販促活動に専念できる」ことは大きなメリットです。
株式会社ネオロジスティクスは、大阪で物流アウトソーシングや物流改善を承っております。
一般的な外部委託とは異なり必要に応じた部門代行を行ないますので、「社内にノウハウが蓄積しないのでは?」「物流部門がブラックボックス化するのでは?」といった疑問をお持ちの場合も、ぜひお気軽にご相談ください。
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