
最低賃金上昇に伴う自社雇用の限界と物流業務を「外注化(変動費化)」すべき理由
2026/09/25
ECサイトの売上が伸びるにつれ、受注や出荷件数が増えてきたら、物流アウトソーシングの利用を検討すべきかもしれません。
しかし「適切なタイミングがわからない」と悩む経営者の方も多いのではないでしょうか。
特に繁忙期には、入荷・検品・保管・梱包・出荷などの物流業務が急増し、人員不足や発送遅延が事業成長の足かせになることもあります。
問題が顕在化してから委託先を探すのではなく、繁忙期や事業拡大を見越して準備を進めることが重要です。
この記事では、物流アウトソーシングを検討すべきタイミングをはじめ、EC事業者が押さえておきたい業種・商材ごとの繁忙期や、アウトソーシング開始までの流れ、導入を成功させるポイントをご紹介いたします。
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物流アウトソーシングとは、商品の入荷や検品、保管、在庫管理、ピッキング、梱包、出荷といった物流業務を、専門の物流会社へ委託することです。
ECサイトを自社で運営している場合、事業規模が小さいうちは社内のスタッフだけで物流業務を回せることもあります。
しかし、注文数や取扱商品が増えるにつれて、物流に必要な人員や保管スペースも拡大します。
また、セールや季節イベント、SNSでの話題化などをきっかけに注文が急増する可能性があります。
販売機会を逃さないためには、売上拡大だけでなく、それを支えられる物流体制を整えることも重要です。
物流アウトソーシングを利用することが、EC事業全体の運営体制を見直すきっかけにもなります。
物流アウトソーシングを活用することで、主に次の3つのメリットが期待できます。
大きなメリットは、物流に割いていた社内の人員を、商品企画や仕入れ、販売促進、マーケティングなどのコア業務へ振り向けやすくなることです。
事業を成長させるためには、新商品の企画や販売戦略の立案、広告施策の改善などにも継続して取り組まなければなりません。
物流業務を専門会社へ委託すれば、それまで物流に割いていた人員や時間を、こうした業務へ振り向けやすくなります。
自社物流では、倉庫や作業スペースを確保するための費用に加え、物流担当者の人件費などが継続的に発生します。
しかし、繁忙期の物量に合わせて人員や倉庫スペースを確保すると、注文数や在庫量が少ない時期には余剰が生じることもあります。
一方、物流アウトソーシングでは、保管量や入出庫数、出荷件数などに応じて料金が発生する仕組みが一般的です。
そのため、契約内容によっては、倉庫費や人件費の一部を物流量に応じて変動させやすくなります。
物流の専門会社へ業務を委託することで、自社だけでは整備が難しい物流設備や、専門的な運用ノウハウを活用できる点もメリットです。
物流業務では、倉庫以外にも、在庫を正確に管理する仕組みや、効率的にピッキング・梱包を行うための作業環境も必要です。
また、事業規模が拡大すると、物流量に合わせて設備や業務の仕組みを継続的に見直す必要があります。
こうした環境をすべて自社で構築しようとすると、設備投資だけでなく、運用方法の設計やスタッフ教育にも負担がかかります。
物流会社を活用すれば、すでに構築されている倉庫設備や物流オペレーション、これまで培われてきたノウハウを利用できます。
物流アウトソーシングは、「自社では発送できなくなってから」利用の検討を開始したのでは間に合いません。
問題が顕在化する前に検討を始めることが大切です。
特に、次のような変化が現れた場合は、自社物流を見直す一つのタイミングと考えられます。
ECサイトの売上が伸び、注文数や取扱商品数が増加傾向にある場合は、物流アウトソーシングを検討するタイミングです。
たとえば、これまで1日数十件だった出荷が大幅に増えれば、必要な作業時間、人員、在庫スペースも変化するでしょう。
新しいECモールへの出店、商品ラインアップの拡大、大規模な広告・販促施策を予定している場合も同様です。
重要なのは、「現在の出荷件数」だけで判断しないことです。半年後や1年後の事業計画を踏まえ、想定する販売量を現在の物流体制で処理できるかを確認しましょう。
出荷担当者の採用が難しい、他部署の社員が梱包を手伝っている、経営層まで発送作業に時間を取られているといった状態の場合も、見直しのサインです。
物流業務に人員を取られ、本来取り組むべき商品の企画、仕入れ先の開拓、広告、顧客対応などの業務が後回しになっているのであれば、物流を社内で抱え続けることが適切なのか検討する必要があります。
倉庫の賃料、人件費、梱包資材費、配送費などが経営を圧迫している場合も、物流アウトソーシングを比較検討する機会となります。
ただし、「アウトソーシングすれば必ず物流費が安くなる」とは限りません。
自社物流と外部委託ではコスト構造が異なるためです。
現在発生している倉庫費、人件費、資材費、システム費などを洗い出し、委託した場合の見積もりと比較しましょう。
金額だけでなく、社内スタッフが物流業務へ費やしている時間まで含めて考えることがポイントです。
通常期は問題なく出荷できていても、繁忙期になると物流業務が追いつかなくなる可能性があります。
ECではブラックフライデー、クリスマス、年末年始などに大型の販促企画が集中する傾向があります。
自社セールやECモールのキャンペーンでも、短期間に注文が集中する可能性があります。
こうした物量の波を理由に物流アウトソーシングを検討する場合、繁忙期直前ではなく、早めに相談することが重要です。
物流会社の選定だけでなく、運用方法の決定、商品情報の登録、システム連携、在庫移管、テストなどが必要になる場合があるため、繁忙期から逆算して準備しましょう。
ECの繁忙期は、取り扱う商品によって異なります。「ECだから12月が繁忙期」と一括りにせず、自社商品の年間需要を分析する必要があります。
例えばアパレルでは、春夏・秋冬商品の切り替え時期や季節ごとのセール、年末年始の福袋・初売りなどで物量が変動します。
冬物需要が本格化する秋以降も注意したい時期です。
一方、シーズン切り替えや大型セールの谷間は、比較的物量が落ち着く場合があります。
食品・ギフト関連では、バレンタイン、母の日・父の日、お中元、お歳暮、クリスマス、年末年始などが主な需要期となります。
ギフト商品では通常の梱包だけでなく、包装やのし、同梱物などの作業が発生する場合もあるため、単純な出荷件数だけで物流負荷を判断できません。
一方、主要なギフトイベントの谷間などは、相対的に注文が落ち着くことがあります。
家具・家電・生活用品では、新生活を迎える3~4月前後に需要が高まりやすくなります。
大型の商品を扱う場合は、出荷件数に加えて保管スペースや配送条件も確認しておきたいところです。
一方、新生活商戦や大型セールなどの需要期を外れた時期には、相対的に物量が落ち着くケースがあります。この期間を利用して物流業務を整理し、次の繁忙期に向けた物流アウトソーシングの検討を進めるのも一つの方法です。
物流アウトソーシングは、問い合わせをすればすぐに開始できるとは限りません。一般的には、現在の物流状況を整理した上で物流会社へ相談し、条件をすり合わせながら運用開始を目指します。
まず、自社の物流状況を整理します。
取扱商品、SKU数、在庫量、通常期と繁忙期の出荷件数、配送先、梱包方法、返品対応などを確認しておきましょう。
次に物流会社へ問い合わせ、現在の課題や委託したい業務について相談します。
その情報をもとに物流会社から運用方法や費用の提案・見積もりを受けます。
複数社を比較する場合は、単純な料金だけではなく、自社の商品を扱えるか、繁忙期の物量に対応できるか、必要な梱包・流通加工が可能かといった条件も確認しましょう。
委託先が決まったら契約を行い、実際の運用へ向けた準備に移ります。
ECカートや受注管理システムなどとの情報連携が必要な場合は、その設定も必要です。
その後、商品や在庫を物流倉庫へ移管し、必要に応じてテスト出荷を実施します。
受注情報が正しく反映されるか、指定した方法で梱包・配送できるかなどを確認した上で、本格運用へ移行します。
物流アウトソーシングは、外部へ発送作業を任せれば終わりというものではありません。
委託後に「思っていた業務に対応してもらえなかった」「想定以上に費用がかかった」といったミスマッチを避けるためにも、導入前の整理が重要です。
次の4つのポイントを押さえましょう。
まず、「なぜ物流をアウトソーシングするのか」を明確にしましょう。
によって、適切な委託先や契約内容は変わります。
「物流が大変だから外注する」と大雑把に捉えるのではなく、解決したい経営課題まで整理することが重要です。
次に、現在行っている物流業務をできるだけ細かく洗い出します。
入荷、検品、棚入れ、在庫管理、ピッキング、梱包、出荷だけでなく、ギフト包装、のし、チラシ・ノベルティの同梱、セット商品の組み立て、返品対応など、自社特有の作業があれば整理しておきましょう。
「現在は行っていないものの、今後、実施する可能性がある作業」についても確認しておくと、事業拡大後の委託先変更を防ぎやすくなります。
物流会社を比較する際は、料金だけで判断しないことが大切です。
などを確認します。
将来的に商品数や販売チャネルを増やす計画がある場合は、事業拡大後も利用し続けられるかという視点も欠かせません。
自社の物流課題と条件を明確にしたうえで複数の物流会社を比較すると、価格だけに左右されず、長期的な事業運営を見据えた判断がしやすくなります。
物流アウトソーシングのタイミングを考える上で、特に重要なのが「早めに動くこと」です。
物流会社への問い合わせ後には、ヒアリング、物流データの確認、見積もり、契約、在庫移管など複数の工程があります。
そのため、「来週から出荷量が倍になるので委託したい」と考えても、希望通りに移行できるとは限りません。
こうしたリードタイムに1年ほどかかるケースもあります。
特にブラックフライデーやクリスマス、年末商戦、自社の大型キャンペーンなど、あらかじめ繁忙期が分かっている場合は、そこから逆算して相談を始めましょう。
物流が限界を迎えてから対策するのではなく、「半年後に取扱量が増える」「次の繁忙期は現在の人員では厳しい」と予測できた段階が、物流アウトソーシングを具体的に検討する一つのタイミングです。
もし、物流アウトソーシングを迷っているなら、相談だけでもすぐに開始した方が良いでしょう。
物流アウトソーシングを検討するタイミングは、発送業務が完全に回らなくなってからでは遅いケースが多いです。
事業拡大、人手不足、物流コストの上昇、繁忙期の物量増加などの兆候が見えた段階で、自社物流を見直すことが重要です。
特にEC事業では、商材や販促施策によって出荷量が大きく変動します。
前年の出荷実績と今後の事業計画を確認し、繁忙期から逆算して準備を始めましょう。
物流アウトソーシングを検討する際は、目的や課題、委託したい業務、必要な物流条件を整理したうえで、自社の成長に対応できる物流会社を選ぶことがポイントです。
物流業務の負担や繁忙期への対応に課題を感じている場合は、問題が深刻化する前に物流の専門会社へ相談してみてはいかがでしょうか。
なお、ネオロジスティクスでも物流アウトソーシングを承っております。